バルコニーの隔て板の使い方と演出アイデア
マンションのバルコニーで隣の部屋との境界に設置されている隔て板。蹴破り戸、パーティション、バルコニー隔板、間仕切り板など、さまざまな呼び方があります。普段はプライバシーを守るための壁として機能する一方、火災など非常事態が発生したときには板を破り、同じフロアの避難はしごのあるバルコニーまで移動して、安全な場所へ避難することができます。
いざというときの避難経路なので仕方ありませんが、見た目が無機質なので、バルコニーをおしゃれにコーディネートするときにはつい存在を隠したくなりますよね。そこで今回は、隔て板の基本的な使い方と、安全性を確保しながら隔て板の周辺を演出する方法をご紹介します。
万一のときあわてないために。
隔て板の基本的な使い方
隔て板には「非常の際は、ここを破って隣戸へ避難できます」と書かれているので、非常口であることはよく知られています。しかし防災訓練を実施するマンションでも、実際に隔て板を蹴破るまでの訓練を行うことは稀で、どのように使うのかわからない方も多いのではないでしょうか。いざ避難が必要になったとき、落ち着いて行動できるよう、まずは正しい使い方を知っておきましょう。
【 POINT1】蹴破るときは「後ろ蹴り」で
人の力で穴が開く隔て板とはいえ、簡単には壊れない頑丈な素材でつくられています。そこで、少しでも早く蹴破るために覚えておきたいのが後ろ蹴り。隔て板に対して後ろ向きに立ち、バルコニーの壁や手すりなどに手を置いて体を安定させて思いきり蹴る方法です。
後ろ蹴りで何度か隔て板を蹴り、安全に通り抜けできる大きさまで穴を広げたら避難します。蹴る際は足裏全体で蹴るよりも、かかとを使って蹴ると一点に加わる力が強くなるので、より隔て板を蹴破りやすくなります。
【 POINT2】避難するときは底の厚い靴に
隔て板を蹴破ると割れた箇所がギザギザに残ることがあります。特に避難するときは急いでいるため、室内から裸足のままやバルコニーに置いているサンダルなどで通り抜けると、割れ目に引っかけたり、破片で足を怪我したりする恐れがあります。緊急事態に備えて避難用のスニーカーなど、底の厚い靴をいつでも取り出せる状態にしておきましょう。
【 POINT3】破るための道具を準備しておく
また、足で蹴破るのに自信がない方は、金属バッドやハンマーなどで叩いて穴を開けることもできます。こうしたアイテムをバルコニーや室内の取り出しやすい場所に置いておくと安心です。
隔て板の前はなるべくすっきりと
物を置かないのがベスト
いざというときの避難口だとわかっていても、ついつい隔て板の前に物を置いていませんか?すぐに移動できる程度のものなら良いですが、物置やラティスフェンス、タイヤ、重い鉢植えなどがあるとすぐに隔て板を破ることができず、スムーズな避難ができません。
またご自身だけでなく、お隣や別の部屋からの避難経路をふさぐことにもなりかねないので、隔て板の前にはなるべく物を置かずにスペースを空けておきましょう。
隔て板をふさがずにバルコニーを
コーディネートするには?
隔て板の使い方や注意点はわかったものの、せっかくのバルコニーをすみずみまで活用しないのは、もったいないですね。特にバルコニーを上手に活用してくつろげる空間にしたいという方にとって、隔て板の無機質な印象はちょっと気になるところです。
●室内からの「眺め」をつくる発想で
そこでおすすめしたいのが、室内から見える範囲を考えてバルコニーをコーディネートする方法。まずは、リビングやダイニングの椅子に座り、外の眺めを確認します。次に掃き出し窓のフレームを額縁に見たてて、外の景色を切り取ってみましょう。
遠くの風景とのバランスも考えて、グリーンやお気に入りのチェアなどを室内から見える範囲にコーディネートすれば、眺めを楽しむバルコニーの完成!隔て板の周囲には物を置かずすっきりとした状態を保ったまま、バルコニーを有効に活用できます。
●隔て板よりも低い「床」で演出する
隔て板の前のスペースはふさぎたくないけれど、中途半端にスペースを空けておきたくない、もっとすっきりコーディネートしたい、という方におすすめなのがバルコニータイルで空間を演出する方法。面積を大きく占める「床」が変わると、バルコニー全体がパッと華やかな印象に変わります。
外壁やサッシの色調とあわせた色柄のタイルを選ぶと、空間にまとまりが生まれて、隔て板のあるバルコニーでも違和感がありません。
また、タイルを設置することで、グリーンやアウトドア家具などのアイテムが引き立つようになります。隔て板の前のスペースはきちんと確保しながら、シンプルなグリーンを置くだけのコーディネートで、バルコニーを上質な雰囲気に仕上げることもできます。
●隔て板の下を通る「風」対策も万全に
バルコニータイルはバルコニーを手軽に美しく変えられる便利なアイテムですが、設置する際に確認しておきたいのが強風による影響。隔て板と床の間にはちょっとしたすき間が空けられていますが、ここから吹き込む強風に煽られてバルコニータイルが浮き上がることがあるので、ご自身でタイルを設置される場合は注意が必要です。
セキスイのクレガーレは、強風の影響を考えた設計と豊富な部材で、隔て板の下のすき間までしっかりとした耐風施工が可能。緊急時の避難への影響もなく、強風への対策も万全に行いながら、バルコニーのずみずみまで美しく仕上げることができます。
さまざまなマンションのバルコニーに設置されている隔て板。普段あまり気にすることはないかもしれませんが、万一のときにあわてないように避難経路はしっかり確保して、安心でおしゃれなバルコニーづくりを楽しみましょう。
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