1956年 〜 1968年
⾬といの樹脂化
⾦属からプラスチックへ
この時代の⾬といは、ほとんどがトタン板の板⾦加⼯品や銅板加⼯品のため、
有毒ガスや酸・アルカリに弱いという⽋点がありました。
これらの弱点をカバーし、施⼯の簡易さも合わせたエスロン⾬といは、全国での普及率を⼤きく伸ばします。
1957年(昭和32年)
硬質塩化ビニルでできた「エスロン⾬とい」の誕⽣
硬質塩化ビニルでできたエスロン⾬といは錆びず、有機・無機質を問わず侵されることがありません。また、弾⼒性や復元性も⾼く衝撃で凹むことも少ない上に、電蝕の⼼配もありませんでした。施⼯においても、のこぎりで容易に切断でき、素⼈でも簡単に取り付けられる便利さが広く受け⼊れられました。
1968年(昭和43年)
誕⽣から約10年。全⼾数の20%にまで普及
全国の⼀般住宅の⼾数が2,250万⼾だった当時、エスロン⾬といは約20%にあたる約450万⼾で使⽤されていました。こうした実績から、エスロン⾬といは塩ビ⾬といの代名詞と⾔われました。⼤型建物⽤⾬といでは、1968年に発売した「エスロン⼤型とい」の豊富な規格部品に板⾦界発展のホープとして⼤いに歓迎されました。
1969年 〜 1983年
角型といの登場
半丸といから形状の多様化
半丸といから始まったエスロン⾬といは、70年代後半に発売された「⾓とい」をきっかけに、
施⼯後のたわみや蛇⾏といった悩みを⼀挙に解決。以降、⾬とい形状の多様化が始まりました。
1978年(昭和53年)
エスロン⾬といのイメージを⾼める「⾓トップE70」 生産終了品
1978年に発売された「⾓トップE70」は、3か所をリブで補強した設計により、強度が⼤幅にアップした商品。業界初の吊り(外吊り)⽅式の採⽤で、業界の注⽬を集めました。また、部品をひとつひとつ接続することで、新しい部品が⽣まれるコンビネーション⽅式を採⽤したことで、建物様式や予算にあわせて住宅にぴったりな部品を選択できるようになりました。
1983年(昭和58年)
第3系列のエスロン⾬とい「ライナートップX70」 生産終了品
丸トップ・角トップにつづく第3系列のエスロン雨とい「ライナートップX70」を発売。半丸といの平行耳と角といの強度、高級感のあるデザインを合わせました。
のきといの本体は角でありながら、平行耳になっている点と、本体底部の隅をリブ入りマイナス・アールにしたことでサジ面が直線美を演出。外観を引き立てる意匠材としての雨といの先駆けとして、全国各地に施工物件が続出しました。
1985年 〜 1994年
デザインといの登場
機能部材から意匠材へ
住宅にもファッション性や多様性が求められ始めた1980年代半ば。
⾬といも排⽔機能だけでなく、デザイン性重視の化粧部材として位置付ける思想が⾼まりました。
1985年(昭和60年)
デザイン性のニーズに応えた「アーバントップシリーズ」
「アーバントップシリーズ」では、軒先との⼀体感を図るブラケットの完全内吊り⽅式と画期的なゼロ勾配施⼯を可能にしました。欧⽶の伝統的な「サイマレクタ」デザインを採り⼊れ、⾬といに求められたデザイン性のニーズに応えました。
アーバントップΣ90の製品詳細へ1994年(平成6年)
⾼級志向の要素をブランド化。「アートフェイスシリーズ」
多様化する住宅において、上品かつシックな落ち着きある印象が、この時代の「⾼級感」でした。
セキスイでも、⾬といに⾼級志向を反映させたいと考え、誕⽣したのが「アートフェイスシリーズ」です。
その第⼀弾となった「NB1」は、業界初のFRG素材を採⽤。低伸縮で⽔平施⼯が可能なシャープなデザインで、グッドデザイン賞を受賞しました。
その後も「T120/160」「H120/160」など、屋根と軒先、そしてのきといを同化させて⾬といの存在感を感じさせない美しい納まりと⾬といの汚れを防ぐ機能を両⽴した製品をシリーズ化。
「⾼耐候性特殊樹脂」によって⾊褪せを抑えたり、「インサイド接続」による継ぎ⽬の外観向上など、さまざまな⼯夫を施すことで、住宅デザインの意匠性向上に貢献しました。
1997年 〜 2008年
エスロン⾬といの素材⾰命
意匠性重視と機能性の付加へ
⾮住宅分野で採⽤されてきた「エスロン⼤型とい」発売から約30年、
セキスイでは「炭素繊維」を使⽤した「カーボンシリーズ」やオール樹脂でできた「超芯シリーズ」など
⾬といの素材に⾰命を起こしながら業界をリードしてきました。
1997年(平成9年)
世界初、炭素繊維を使⽤した「カーボンシリーズ」の誕⽣ 生産終了品
「鉄よりも強く、アルミよりも軽い」カーボン繊維を芯材に使⽤した画期的な⾬とい「カーボンシリーズ」を開発。「最⾼・最強の素材」と呼ばれたカーボンシリーズは、業界に⼤きなインパクトを与えました。
セキスイ独⾃の技術による、カーボンシートと塩ビによる3層のサンドイッチ構造が、⾬といに求められる「強さ」「軽さ」「耐久性」のすべてを⾼いレベルで実現。このときに培われた技術⼒は、のちの「超芯シリーズ」や「超芯LEVOL」の誕⽣へと展開されていきます。
2005年(平成17年)
外観を永く、美しく彩る⾼耐候性向上仕様のカラーパイプ
⾮住宅分野でカーボンなど新商品を投⼊する中、たてといについても進化を続けています。
2005年には、「シルバー」「ホワイト」「ココア」「クリーム」の4⾊を持つカラーパイプが住まいのロングライフ化に対応するため、⾊褪せを抑える仕様に変わりました。
2009年には、グレーパイプでは「業界初」の耐候性向上仕様の「タフグレー」を発売。翌年の2010年には⾦属製たてといのような⾼い質感を持つ⾼品位な「ファインメタリック」を発売し、6⾊すべて耐候性向上仕様に⽣まれ変わりました。
2017年には「タフグレー」をさらに濃⾊へリニューアル。近年、新築マンションで流⾏の⿊い外壁にも合う⾊調で建築物の設計・デザインの可能性を拡げました。
カラーパイプの製品詳細へ2008年(平成20年)
「PET超延伸シート」を使⽤した「超芯シリーズ」の誕⽣
「カーボンシリーズ」の需要増加により、商品の品薄状態が続いたため、後継機種の研究開発が求められました。そこでセキスイは、「オール樹脂でできた⾼性能⾬といの開発」に挑戦。その結果、樹脂製⾬といの常識を超える強度と低伸縮性、加⼯の良さを実現する「PET超延伸シート」の開発に成功しました。
超芯シリーズの製品詳細へ2009年 〜 2011年
「ゲリラ豪⾬」への挑戦
防災・減災への配慮
2006年頃から「ゲリラ豪⾬」と呼ばれるようになった「局地的⼤⾬」。
この現象に向けてセキスイでは、⾬といの性能が脅かされないために新たな研究開発をスタートしました。
2011年(平成23年)
サイフォン原理の排⽔⽅式を採⽤した住宅⽤「⾼排⽔システム」
⾃然の物理現象を利⽤して排⽔する「サイフォン」の仕組みに注⽬し、⾬といに展開することに成功。
サイフォン現象を発⽣させる「たてといソケット」を独⾃開発しました。さらに2011年には、専⽤落し⼝リングを組み合わせた「⾼排⽔システム」の発売を開始しました。
2012年
機能やカタチの原点回帰
シンプルで質の⾼いデザインへ
機能やカタチを追い求めてきたこれまでの開発。
エスロン⾬といの誕⽣から約半世紀を迎え、改めて「⾬といの原点」を考えました。
2012年(平成24年)
⾬といの“普遍性”を追求した「ユニシェイプ」の誕⽣
住宅トレンドに左右されず、時代を経ても良いと思える「普遍性」を⾬といに追求しました。
その後、基本性能は満たした上で、上質な存在感が得られる「ユニシェイプ」が誕⽣。⽀持具を前⾯に見せないたてといや、存在を意識させない破⾵板のようなのきといを発売しました。
ユニシェイプUST140の製品詳細へユニシェイプURT60BLの製品詳細へ
2017年
進化した⾼機能樹脂へ
超延伸シートの展開
エスロン⾬とい発売60周年を迎えた2017年。
超延伸シートを使⽤し、⼤型建物⽤⾬といで好評をいただいた「超芯シリーズ」を住宅⽤⾬といにも展開しました。
2017年(平成29年)
世界初! 超延伸シートを採⽤した住宅⽤⾬とい「超芯レボル」
「超芯LEVOL(レボル)」は、超芯シリーズの特徴である伸縮性能を保持しながら、デザイン性や耐候性まで追求した新世代の⾬といです。
熱に強く伸び縮みが少ないため、20mまで伸縮処理が不要。また、強靭な剛性感で⿐隠し板の凹凸を⼼配する必要もありません。排⽔量は確保しながら、シンプルなデザインで様々な住宅に溶け込みます。
超芯レボルの製品詳細へ2018年
⾬⽔排⽔の新システム
⼤型建物⽤⾬といシステムの提案
集中豪⾬、労働者⼈⼝の現象など、
私たちが直⾯する社会変化へ対応する製品開発でさらなる環境貢献を⽬指します。
2018年(平成30年)
業界初! サイフォン⽅式で⾬⽔を排⽔する「⼤型⾼排⽔システム」
「⼤型⾼排⽔システム」は、⼯場や倉庫・店舗などに使われる⼤型建物⽤のきとい「超芯シリーズ」、「特殊耐酸被覆鋼板(エスロコイル)」と「カラーパイプ(たてとい)」を「専⽤部材」を⽤いて組み合わせたシステムです。
サイフォン現象を連続発⽣させることで排⽔能⼒が向上し、従来の当社品と⽐べ、たてといのサイズダウンを実現しました。また、排⽔能⼒を最⼤限に⾼めることで「意匠性・施⼯性・経済性」に貢献します。
- 2018年に75サイズ発売
- 2019年に100、125サイズを発売
- 2019年に「GOOD DESIGN」賞を受賞