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生産設備の中核を担う樹脂配管。
長寿命・高耐久の樹脂管ですが、長年の使用や誤った使い方により劣化が生じることがあります。

特に薬液ラインで使用する場合は注意が必要です。配管によっては以下のような劣化が生じてしまいます。

このような劣化は、配管材の種類によってさまざまな形で発生します。
本ページでは、樹脂管と薬液の実際にあったトラブル事例をシリーズとしてご紹介します。

1. 配管種類 × 薬液のよくある劣化パターン 

今回、ご紹介する事例は VP管 × 塩酸 です。
実際に塩酸35%・常温で使用された配管の写真を以下に示しています。

6年の使用で、肉厚80%に薬液浸透

VP管(JIS K6741) 塩酸35%×常温×6年

約6年使用した時点で、配管の耐久性や安定性の一部低下が見られます。
性能試験の結果、扁平強度はJIS規格未満・肉厚の約80%に薬液が浸透していることが分かりました。

このような状態の配管は、不慮の衝撃によって配管が破損・漏洩するリスクが高くなってしまいます。

さらに15年以上の長期使用したVP管

VP管(JIS K6741) 塩酸35%×常温×15年

15年経過した管の断面には割れが発生、管の外面まで変色が発生して薬液が浸み出してしまっています。
このように塩酸でVP管を使用した場合、浸み出しや割れが発生することがわかります。

塩酸35%×常温 VP管使用時に・・・

8~10年程度

外面からの染み出し発生

15年以上

 

気泡や割れの発生が当社に報告されています。

※ご使用条件によっては、より短期で発生する場合もあります。

では、なぜこのような劣化が起こってしまうのでしょうか?
VP管を塩酸で使用すると劣化が起こってしまう、原因とメカニズムを解説します。

2. 劣化の原因とメカニズム

結論からいうと、劣化の原因はVP管に使用されている「無機物」が影響しています。

VP管に添加されている「無機物」と塩酸が反応した結果、配管内に空洞が発生します。
そしてこの空洞が管の内面から外面まで繋がることで、薬液の浸み出しが発生してしまうのです。

反応式を用いて劣化メカニズムを解説
HCl(塩酸)とCaCO3(炭酸カルシウム)の反応式

VP管には添加剤として、炭酸カルシウムが使用される場合があります。
この炭酸カルシウムは反応式の通り、塩酸と反応することで「塩化カルシウム」「二酸化炭素」「水」に変わります。

「塩化カルシウム」は、水に溶けやすい成分のため、VP管に空洞を発生させます。
「二酸化炭素」は、管内部でガス化することにより気泡となり、割れの原因となる場合があります。

こういった事例は外部環境によって劣化速度が変わりますので、ご使用環境も劣化には重要な判断基準となります。

▼反応イメージ図▼

3. 薬液に応じた最適な配管材とは?

では、どのような配管であれば塩酸でも使用できるのでしょうか?
今回は弊社で塩酸をご使用されるお客様に推奨している配管、「エスロンプラントVPパイプ」をご紹介します。

エスロンプラントVPパイプは、耐薬品性を悪化させる炭酸カルシウムを使用していないため耐薬品性に優れております。
塩酸における、一般VP管とエスロンプラントVPパイプの耐薬比較表を見てみましょう。

耐薬比較表の通り、一般VP管よりもエスロンプラントVPパイプの方がさらに耐久性が向上します。

また当社の「エスロンTS継手」「エスロンバルブ」は、エスロンプラントVPパイプと同等の耐薬設計を行っておりますので
塩酸ラインでご検討の際は、是非セットでご使用ください。

4. 製品紹介

▼今回ご紹介したエスロンプラントVPパイプのほかに、劣化に強いプラントパイプを各種品揃えしております▼
劣化に強いプラントパイプ
  • プラントハイパーBK
  • プラントVPパイプ
  • UVストロング

※ご利用には会員登録が必要です。

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