株式会社総合車両製作所 横浜事業所へ続く引込み線
FFU合成まくらぎ 現場レポート#08
積水化学が1980年にFFU合成まくらぎを開発し、おかげさまで45年が経ちました。
近年は専用鉄道(工場の引込み線)でもご採用頂く機会が増えております。
軌道の長寿命化や保線業務の省力化に欠かせない合成まくらぎについて、総合車両製作所様にお話を伺いました。
Introduction
横浜市、金沢八景駅の近くに、京急線から枝分かれして車道を横断するように延びる3本のレールがあります。このレールが続く先にあるのは、株式会社総合車両製作所の横浜事業所。1946年の操業開始から80年を数える、歴史を持つ鉄道車両の事業所です。当地で製作された車両は引き込み線から京急線を経て日本全国、更には世界各地で多くの人々の快適な移動を支えています。
この引き込み線をはじめ、事業所内で製作された車両が移動するための線路の枕木には、積水化学のエスロンネオランバーFFU合成まくらぎが採用されています。今回は同社の内島様と向田様に車両製作現場ならではの、FFU合成まくらぎの採用に至られた経緯を伺いました。
インタビュー : 2025年5月12日
株式会社総合車両製作所 横浜事業所
内島様 向田様
Guest
- 生産本部 生産管理部(設備・生産性・環境改善) 主査
- 内島 敬介 様
- 経営管理本部 総務部(総務・広報)
- 向田 美奈子 様
Interview
FFU合成まくらぎで三線軌条に対応
- ———まずは総合車両製作所様についてお教えください
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当社はJR東日本のグループ会社で、鉄道車両を作っている輸送機械機器製造業に分類されます。今はあまり聞かれませんが、昔は『新幹線5社』と呼ばれ、新幹線を製作できる5社の内の1社です。前身は東急(昔の東急電鉄)の子会社であった東急車輛製造株式会社です。
ここ横浜事業所の他には新潟市の新津事業所、和歌山県紀の川市にある和歌山事業所の3つの製作拠点があります。横浜と新津で鉄道車両、和歌山では鉄道車両の部品(ブレーキのエアタンク、台車と呼ばれる走行部分の部品)、鉄道用コンテナなどを作っています。鉄道車両の製作の流れとしては、細かい部品を和歌山や協力会社などで作り、横浜や新津に持ってきて、最終的に完成品に組み上げます。当社はステンレスの車両が強みで、ここ最近では『sustina(サスティナ)』という次世代ステンレス車両をブランド化しました。前身の東急車輛製造の時代に国内で初めてステンレス車両を製品化し、そのステンレス車両の流れが今のsustinaへと繋がっています。おかげさまでsustinaというブランド名はある程度浸透して、日本国内でも海外でも採用していただいています。
生産本部 生産管理部
主査 内島 敬介 様
経営管理本部 総務部
向田 美奈子 様
- ———内島様が担当されている業務についてお教えください
- ———横浜事業所様で製作されているのは、どんな車両なのでしょうか?
-
種類で言うと、新幹線の車両、在来線の特急車両、通勤車両、横浜シーサイドラインの車両も受注しています。あとは稀に特別車が入ってくる時もありますし、海外向けの車両も製作しています。
昨年の製作数は200両程でした。一番多かった時代では年間550両という時もありました。ちょうどコロナ流行の前くらいでしたね。コロナ以降は鉄道会社様での設備投資が、少し控え気味になっていると感じていますが、また状況は変わっていくでしょう。現在、当社の推しが「sustina(サスティナ)」です。今までの車両の作り方を根本から変えた当社の自信作です。ベースや部品を共通化することで、性能は同等でもコストダウンに成功しました。さらに様々なオプションを用意しており、車両ごとにデザインなどの独自色を出していけるので鉄道事業者様に喜んでいただける設計になっています。
また維持管理面でも、ステンレス製なので錆びにくい。当事業所には1958年に製作された日本初のステンレス電車が展示されているのですが、屋外で日差しや風雨に曝されているにもかかわらず、今でもピカピカの外観です。メンテナンスも楽でずっとキレイ。ライフサイクルコストでも貢献できます。
1年に1回、新入社員研修で車体のブラシ磨きをしますが、それ以外は基本的には手入れをしていません。金属の光沢感が見た目にも分かりやすいステンレスの特長ですね。
- ———ちなみに車両はどのように作られるのでしょうか
- 近年では新幹線の先頭部は機械加工で削り出して作ることも多くなったのですが、ひと昔前は骨組みにアルミ板を貼って溶接して、トンカントンカンと人が叩いて作っていました。
車体はそのような部品を溶接して組み上げていきます。車両側面と連結面、屋根、床をそれぞれ部品として作って、6面体として箱型の状態に組み、内装品を設置したり、電線を引っ張ったりして、だんだんと出来上がります。それとは別工程で、台車枠や輪軸から成る台車を作ります。
車体と台車を合体して、3両くらいずつの編成で事業所内の検査用線路に移動し、最終的には10両編成など納品する形態になります。
- ———横浜や新津で製作された車両を西日本方面に納品する場合はどのように運ぶのですか?
- これまでに関西や四国の鉄道会社様へ車両を納品しました。ここ横浜事業所から車両を出荷する方法は2つあります。貨物列車としてオン・レールで輸送していくか、それができない場合は近くの港まで特大のトレーラーで出荷し、船に載せます。「線路は続くよ、どこまでも」ではないですが、基本は線路があればどこへでも走って行けます。
- ———横浜事業所様内で線路はどのように巡らされているのでしょうか
- ———積水化学のFFU合成まくらぎを採用された経緯を教えてください
- 当事業所内の枕木を使用している箇所は、主に屋外の検査線で納品前の編成車両を検査するための線路なのですが、常に製作・検査・納品を繰り返していますから、改修工事を行うタイミングがなかなか作れないのです。
鉄道会社さんの場合は、営業線であれば夜間工事を行ったり、基地内でも留置線があるため工事する線路を空けることが比較的しやすいのではないかと思います。ですが当社の場合は工事ができるタイミングが限られてしまうため、なるべく長寿命で更新頻度が少なくでき、また保管期限を長くとれることが望ましい。そこで、防水性が高く腐食にも強い合成まくらぎを使用することにしました。中でも積水化学さんのFFU合成まくらぎを採用したきっかけは、当社工場内の水道管が積水化学さんの製品で、営業担当の方と付き合いがあったことからです。老朽化していた水道本管の更新の話をしている中で、合成まくらぎについても相談させてもらいました。私が水道管もレール保線もどちらも担当しているので、そこでご縁がつながったということですね。
- ———合成まくらぎ以外の製品は検討されましたか?
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老朽化した木枕木を更新するにあたって、PCまくらぎも検討にあがったのですが、線路が特殊であることから見送られました。
横浜事業所の線路は三線軌条といって、3本のレールが敷設されています。これは、鉄道会社によって異なるレールの幅(軌間)に対応するためです。例えば京急電鉄さんは軌間が広いレールを、JRさんは狭いレールを使用しており、それぞれの規格に合わせて車両を製作していますが、三線軌条の線路ならどちらの車両も走ることが出来ます。ただ、3本のレールを敷設するため枕木も特殊な仕様になります。特注で加工が必要なのはPCまくらぎでも、合成まくらぎでも同じですが、FFUならPC製よりも加工が容易なため、納期と価格の両面でメリットがあると考え採用しました。今後も引き続き木製枕木から交換を進めていく予定です。
- ———ありがとうございます。最後に、積水化学へのご要望などありましたらお聞かせください
- 木製に比べればどうしても価格は高くなってしまいますが、長持ちする製品ですし、納期も弊社の希望に叶うよう頑張っていただいて満足しております。
積水さんに限らず、原料費が高騰している昨今はどのメーカーさんも価格設定に苦労されていると思います。私は電気工事も担当していて電線類をよく使いますが、価格が上がり納期も長くなり、なかなか工事計画が立てにくい状況になっています。
枕木の更新はまだ続いていくので、安定して供給してもらえるよう期待しています。
———貴重なご意見をいただきありがとうございます。製作工程で出る切削粉を再利用した合成まくらぎなど、CO2削減や環境貢献のご提案もしていきたいと思います。今後とも宜しくお願いいたします。
FFU合成まくらぎ 現場レポートマップ
Products
今回ご紹介させていただいた製品
ガラス長繊維強化プラスチック発泡体
エスロンネオランバーFFU
製品解説———
エスロンネオランバーFFUは、硬質ウレタン樹脂発泡体をガラス長繊維で強化した合成木材です。天然木材に代わる素材としてあらゆる分野で使用可能。自然環境保護に役立つ素材として注目されています。

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1.天然木材のように

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2.プラスチックだから

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1.水処理施設に

覆蓋
耐久性に優れ、水に浮く軽さを持ち、万一落下した場合も回収が容易です。長期使用品のリユースが可能でライフサイクルコスト削減にも貢献します。
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2.港湾施設に

浮桟橋
耐水性・耐食性に優れ防腐処理の必要が無く、水質に影響を及ぼさないため環境に配慮した設計が可能です。
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3.鉄道施設に

合成まくらぎ
コンクリートと同等の品質安定と耐久性能をあわせ持ちながら木材のように施工でき、鉄道会社各社に採用されています。
これ以降は会員の方のみご利用いただけます
会員登録済みの方
未登録の方

——sustinaに乗ろう! ——
みなさんの通勤・通学で利用されている移動手段は何でしょうか。
徒歩や自転車は勿論、車やバス利用の方も多いでしょうが、最近、駅のホームで電車を待っていると、キレイな車両になったな。というイメージがありませんか?
そんな時に、車両の端っこの壁(隣の車両に移れる貫通扉が付いているところです)の上をそっと見てみてださい。そこに「sustina」のマークが見つかりましたら、それは記事本文中に紹介した総合車両製作所様で作られた車体です。外観のカラーリングも鮮やかで継ぎ目が目立たなく、一体成型されたようにスタイリッシュです。
2025年現在では、首都圏で運営される鉄道会社様の車両が中心ですが、静岡や遠くタイ国の車両でもsustinaが活躍しているそうですよ。
これは聖地巡礼ならぬsustina巡礼に行かなければですね!