川崎重工業 名古屋工場の冷温水配管にクウチョウハイパーCHが採用!
先進的な環境負荷低減の取り組みにより
サステナビリティ貢献製品を多数採用!施主編
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川崎重工業 岐阜工場 岐阜総合ビル
Introduction
川崎重工業は1878年、東京・築地に「川崎築地造船所」を開設したのが起源です。貨客船の建造から始まり、日本初の潜水艇の建造、民間造船所初の大型軍艦の竣工、国産化第1号の蒸気機関車や日本初の全金属製飛行機の完成。戦時の荒波の中、発展・成長をし続けます。そして、1939年12月1日に社名を「川崎重工業」に変更。その後も、航空母艦や潜水艦を主力に戦争の時代を駆け抜けます。
そして、戦後の高度経済成長期へ。1954年国産第一号のヘリコプター、バイク・スクーター「川崎号」、国産初となる産業用ロボット、国産初の双発ジェット輸送機など、日本の近代化に貢献。その後も日本初となる様々な製品を世に送り出し続けます。
CO2フリー水素社会を目指して純国産の水素液化システムの開発や世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」の建造、200Kgの貨物搭載能力をもつ無人ヘリコプターの開発など、今でも一歩先の社会課題の解決に取り組む先進企業です。
この川崎重工業の名古屋工場に積水化学のクウチョウハイパーCHが新たに採用され、岐阜工場含めて様々な製品が採用されていると伺い、製品をご採用いただいた経緯やサステナビリティについてのお考えなど、詳しくお話を伺いました。
インタビュー : 2025年7月7日
Guest
川崎重工業株式会社 航空宇宙システムカンパニー 企画本部 総務部
財産環境エネルギー課 兼 労務部 安全管理課 野原 偏弘 様
株式会社カワサキライフコーポレーション 建築事業部 施設業務部 河合 直之 様
Interview
- ———まずは、野原様、河合様がご担当されている仕事についてお教えください
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野原様 : 川崎重工業の総務部にある財産環境エネルギー課に所属しております。主にインフラ関係の設備投資の取りまとめとその予算管理を行っており、カーボンニュートラルといったサステナビリティ関係の対策などの新しい施策を考える部門でもあります。 また労務部 安全管理課にも所属しております。
河合様 : 川崎重工業のグループ会社 カワサキライフコーポレーションの施設業務部に所属しており、主に建物インフラ関係の老朽管などの更新計画から工事管理、発注までを受け持っています。私の担当は設備担当でインフラと建築設備の両方を担当しています。どういった管材や工法を採用して、工事の計画を立て、実行に向け見積を取って……といった業務ですね。
(左)川崎重工業株式会社 野原 偏弘 様
(右)株式会社カワサキライフコーポレーション 河合 直之 様
- ———ありがとうございます。では、今回の工事の概要について教えてください
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河合様 :名古屋工場のクリーンルームの空調設備が老朽化により故障の頻度が多く、空調設備を修理する為の部品も少ない状況となっておりました。そこで新しい空調設備に入れ替え、冷温水配管も改修しようという方針になりました。今まで冷温水管はSGP(白ガス管)を使っていましたが、名古屋工場では、海沿いの立地ということもあり配管の腐食がかなりひどく、漏れによる不具合が頻繁に発生する状況となっておりました。その点、クウチョウハイパーCHであれば樹脂管ですので、腐食による漏水リスクがありません。そういった強みもあり今回、クウチョウハイパーCHを採用させてもらいました。
名古屋工場では、他にもエスロハイパーAWや耐火VPパイプ、ACドレンパイプを採用しています。また岐阜工場では、エスロハイパーAW、プラントハイパーBKやUVストロング、プラントVPパイプなど、サステナビリティ長寿命化が期待できる樹脂管を以前から採用しております。冷温水用高性能ポリエチレン管
クウチョウハイパーCH 保温前
(川崎重工業 名古屋工場)
- ———川崎重工業様からカワサキライフコーポレーション様には、採用する管材についてどのような要望を出されていたのでしょうか?
-
野原様 : 私からは特に細かい要望は出していませんでした。ですが、カワサキライフコーポレーションさんには、新しい技術に関して、可能な限りアンテナを張っていてほしいということはお願いしており、展示会など新しい情報が取れるようなところに積極的に出向いていただくようお願いしています。様々なご縁があり新しい情報がたくさん入ってくる中で、高性能ポリエチレン管であれば錆びずに、更に高い耐震性を確保できるメリットもあると、河合から話を聞きました。我々としては新製品でも機能が優れているものであれば、どんどん採用していきたいという考えがあります。お話を聞かせていただく限りで、樹脂管材は採用実績もたくさんあり、かなり良い製品のように思いました。使ってみないとわからないため、多少のリスクを感じるところもありましたが、採用をさせていただきました。
- ———具体的にどういった展示会に行かれているのでしょうか
- 河合様 : 工場では様々なインフラ設備を抱えており、脱炭素関係の展示会や、下水道展、水道展などの展示会ですね。ほかには2024年7月には積水化学さんの滋賀栗東工場展示ホールで開催している「オープン視察」にも参加、耐火VPの燃焼実験が目当てでしたが、樹脂管材全般のモデル配管や最新の採用事例などを知ることができて良かったです。
- ———ありがとうございます。今回クウチョウハイパーCHをご採用いただいた決め手はございますか?
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河合様 : 今回は工期が短く、実質半年で改修工事を完了させる必要がありました。SGPなどを採用するにも現地加工でねじ切りなどを行うと、到底間に合わず工期が延びてしまいます。
クウチョウハイパーCHでしたら200A、150Aの管材でも軽いためSGPより取り回しもよく、重機も必要ありません。
そこで作業員の方の作業性も考慮し、クウチョウハイパーCHを採用しました。施工時も段取り次第で、融着接合をしている間に、他の作業ができるという利点もあるのも良いですね。「オープン視察」でモデル配管や実際の融着接合の実演を実際に見ていたことも、決め手となりました。野原様 : 工数が削減できることは大きいですね。工事を委託している先でも、かなりの人手不足があると聞いています。その中で配管材料によって施工日数が短縮できることは非常に大きなアドバンテージだと思います。人員の工数単価も高くなってきていますし、目に見える以上に樹脂管を採用するメリットは大きいのではないかと考えています。
- ———他に候補の管材はあったのでしょうか
- 河合様 : SUS管が候補にあがっていました。実は元々、SUS管でもいいかなと思っていたのです。材料自体の価格は同じ位なのですが、施工するのにSUS管だと手間がかかってしまうことがわかりました。施工性に有利な点と工期短縮になるという点を踏まえて、クウチョウハイパーCHを採用することにしました。
- ———クウチョウハイパーCHはどうやってお知りになったのでしょうか
- 河合様 : もともと岐阜工場では2010年に給水配管でエスロハイパーAW、2015年に工業用水のポンプアップ配管で高耐候性のプラントハイパーBKを採用しており、高性能ポリエチレン管が腐食や耐震性に強い特性を持っていることはよく知っていました。一方クウチョウハイパーCHは比較的新しい管材で、ビルなどの屋内配管で使用するものとの認識でおりました。
ただ今回、海沿いの工場の屋外の冷温水配管でSGPの腐食により錆コブが発生し、漏水で困っている旨、積水化学さんに相談をしたところ、クウチョウハイパーCHが適しているのではないかとご紹介をしていただきました。屋外でも使えるように保温やラッキングの仕方などについても、施工を行う川崎設備工業さんを通じて具体的なアドバイスをもらい、問題ないとのことで、使ってみようと候補に上がってきました。
- ———エスロハイパーAWも含め積水化学製品は、他に何をご採用いただいているのでしょうか
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河合様 : 一番最初に採用したのがエスロハイパーAWでした。次にプラントハイパーBKですね。その次はUVストロングですね。露出配管になっている部分は褐色対策でUVストロングを採用しました。そして屋内の薬液配管には、耐薬品性に優れたプラントVPパイプを採用しています。
- ———今後、別のご採用予定などはあったりするのでしょうか
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河合様 : 引き続き工業用水配管の改修などの予定があり、埋設配管でしたらエスロハイパーAW。露出配管でしたらプラントハイパーBKといった使い分けで採用を検討したいと思っています。ただ、埋設配管もずっと埋設配管のままでいいのかとも思っておりまして、今後メンテナンスがしやすいように露出配管に変更するなど、状況を変えていくことについても考えなくてはいけないなと思っております。また、CO2削減やエネルギーの今後の戦略というサステナビリティに絡んだ設備投資もいくつか計画をしています。まだ具体的な配管の採用のところまでは落とし込めていないのですが、引き続き適材適所で樹脂管材を使わせていただきたいと思っています。
カワサキライフコーポレーション 河合様
- ———サステナビリティのお話が出てきましが、SDGsやサステナビリティに関するお考えをお聞かせください
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野原様 : 積水化学さんからもお話をお聞きしていますが、製品のLCAについては今後ますます重要になってくると思っています。
我々もScope1から3まで計画を立てていく時に、ライフサイクルコストをいかに長くしていくか。トータルのCO2排出量をどう抑えるのか。まだまだ課題があると思っています。
そんな中で積水化学さんでは製品のLCAデータの計算結果を教えていただけると聞きました。
この機会に配管の長寿命や施工性、材料のLCAの情報についても、もっと掘り下げて考えて行きたいと思います。今回提示いただいた「サステナビリティカタログ」も見やすくて良いですね。これまで採用してきた多くの製品が「サステナビリティ貢献製品」だということを改めて知ることができて良かったです。
私の知る限り積水化学さんだけですね。こういう情報はとても貴重なものだと思っています。採用する上で非常に参考になると感じました。積水化学 中川 : 先進的な目線で多数のサステナビリティ貢献製品をご採用いただき、誠にありがとうございます。製品LCAデータをしっかりと提示させていただくことで、微力ながら環境負荷低減に貢献して参りたいと考えております。
また「最新製品ご採用事例」への掲載についてもご承認いただきありがとうございます。サステナビリティ貢献製品の多数のご採用に加え、オープン視察へ参加いただいたり、SGP腐食サンプルをご提供いただくなど、川崎重工業様の一連の取り組みについても、併せてご紹介させていただきたく考えております。野原様 : あと配管材ではなくて恐縮なのですが、御社のフィルム型ペロブスカイト太陽電池が気になっています。環境負荷低減のため、屋根の上に太陽光発電パネルをどんどん載せていきたいのですが、既設の工場ですと太陽光発電パネルが重すぎるため、改修工事無しではそのまま載せることができません。
フィルム型ペロブスカイト太陽電池のように窓などの設置面に取り付けることができるとなると話は変わってきます。
設置できる場所の選択肢が広がってくるうえに、軽量なため歴史のある工場でも設置できます。大型の設備投資をしなくても入れられるようになってくるのかな、など気になっています。
また実証実験が完了しましたら、提案いただきたいです。川崎重工業 野原様
- ———歴史と言えば、1Fの飛行機の展示の隣の展示室には、工場の歴史を知ることができるムービーが紹介されていました。
- 野原様 : ムービーをご覧いただいたのですね。川崎重工業の岐阜工場は開業して今年で103年目。歴史のある工場です。戦後の混乱期には、配管材として何が埋まっているのかわからない状況を経験するなど維持管理でもさまざまな苦労がありましたが、地域に支えられ、ともに歩んで参りました。
- ———最後に積水化学にご要望があれば教えてください
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河合様 : 施工を請け負っている川崎設備工業さんからもあるかもしれませんが、機械周りのやりとりをもうちょっとどうにかコンパクトにしていただけると助かります。とういうのも、2段階落としになってしまうなど、スペース的に厳しくなってしまうと、結局そこだけ加工管にしないといけないんですね。
スペース制約がある中で施工しますので、もっとコンパクトに収められるようにラインアップを充実してもらえると嬉しいです。野原様 : 我々もお客様の方に話をしに行くときに、実際の製品やカタログを持っていって提案型のプレゼンをしないとなかなか通らないってことが多々あります。ニーズの掘り起こしみたいなことが必要で、提案型のプレゼンを行うことではじめてお客様に気づいていただけるなんてこともよくあります。
恐らく我々がまだ気付けていないことがいっぱいありそうなので、ぜひ色々とご提案していただければと思います。
ありがとうございました。今後も長寿命化や省施工化、そしてサステナビリティにおけるお客様のご要望にお応えできますよう努めて参ります
各務原市民を魅了する岐阜基地航空祭
今回、取材をさせていただいた川崎重工業 岐阜工場は岐阜県の中で南部の各務原市に位置しています。
近隣の航空自衛隊岐阜基地では、毎年秋口に「岐阜基地航空祭」が開催され、基地内北地区および南地区が一般
開放され、F-15、F-2戦闘機などによる展示飛行や、航空機の地上展示等が実施されています。国内唯一の「飛行開発実験団」による練習機・輸送機・戦闘機の異機種編隊飛行が見られることから、各務原市民に加え多くの航空ファンからも親しまれています。また近くには航空と宇宙をテーマにした博物館としても有名な岐阜かがみはら航空宇宙博物館もあるようです。どちらも必見のスポットですね!
【ご案内事項】
- 1.開催内容
- : 「岐阜基地航空祭」
- 2.開催場所
- : 航空自衛隊 岐阜基地(住所 岐阜県各務原市那加官無番地)/ 一般開放(入場無料)
*アクセス 基地北門:名古屋鉄道 各務原線 三柿野駅 徒歩約10分
- 3.開催日時
- : 毎年秋口開催
- 4.展示飛行
- : 飛行開発実験団所属機、ほか
- 5.地上展示
- : 陸、海、空自航空機、高射器材、その他装備品等
- 6.イベント等
- : 各種団体によるイベントブース出展、売店等の出展
- 7.備考
- : 航空祭の行事内容の最新情報は、下記WEBページ及び岐阜基地公式SNSをご確認下さい
*出典:岐阜基地航空祭特設ページ|防衛省 [JASDF] 航空自衛隊
- : 近隣観光スポット
岐阜かがみはら航空宇宙博物館(住所 岐阜県各務原市下切町5-1)
ご参考 岐阜基地航空祭 開催写真 (出典 航空自衛隊サイト)




Products
積水化学のLCA −数字で示す環境課題への貢献−
製品のLCAデータの提示を開始しました
建築物LCAに係る制度化
政府は、建築物のライフサイクルカーボン削減に向けた取り組みの一貫として
建築BIMの普及拡大とLCAの義務化について制度の検討を開始しました。
建築物関係のCO2排出は、①建設・維持管理・解体段階での排出(エンボディドカーボン)と、②建築物使用に伴う排出(オペレーショナルカーボン)に分類され、このうち②建築物使用に伴う排出(オペレーショナルカーボン)は、省エネ対策により削減が進んでいます。今後は、エンボディドカーボンについても削減に向けた対策が必要です。
政府は、建築物分野のCO2排出量の削減のためには、建設資材・設備の製造・施工・解体時の取り組みが必要となりLCA算定が必要と考え、規制・誘導を含む制度のあり方について方向性の確認を目指す模様です。
2050年のカーボンニュートラル実現を目指し建築物のLCAが重要となります!
建築物LCAに係る制度化
- ● ここでのLCAデータとは、製品の原材料調達から製造、使用、廃棄、リサイクルに至るまでに排出される温室効果ガス量(CO₂換算値)を定量的に評価するCFP(カーボンフットプリント)を指します。
- ● CO₂排出量には、メタンや一酸化二窒素など、他の温室効果ガスをCO₂に換算した値も含まれます。
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脱炭素への取り組みと、製品LCAデータをご紹介する
「サステナビリティカタログ」 -
積水化学の脱炭素への取り組みと、LCA、『サステナビリティ貢献製品』などご紹介する「LCAデータでサステナビリティ推進を支援 動画」
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今回ご紹介させていただいた製品
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空調配管用高性能ポリエチレン管
クウチョウハイパーCH
新複合素材の中間層が、従来のPE管の半分以下の線膨張係数を実現しました。冷温水用途に使用可能なPE管です。
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水道用耐震型高性能ポリエチレン管
エスロハイパーAW
管体独自の可とう性とEF接合により地震に強い一体管路を構築します。また、耐久性・耐食性にも優れます。
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空調ドレン用結露防止層付硬質塩化ビニル管
エスロンACドレンパイプ
保温材の機能を有しているために、配管と同時に保温工事が完了します。保温工事の必要がありません。
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建物用耐火性硬質ポリ塩化ビニル管(建物排水・通気用)
エスロン耐火VPパイプ〈FS-VP〉
耐火DV継手〈FS-DV〉
透明耐火DV継手防火区画の貫通がパイプだけで可能です。耐火DV継手または透明耐火DV継手との組み合わせで確実に延焼を防止します。
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プラント用耐震型高性能ポリエチレン管
プラントハイパーBK
優れた耐震性に加えて耐候性を保有しており、屋外の工業用水、薬液配管等に最適なポリエチレンパイプです。
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高耐候性 硬質ポリ塩化ビニル管
UVストロング
耐候性向上樹脂をコーティングした工場の屋外用配管向けに最適なVPパイプです。
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高耐薬・耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管
プラントVPパイプ
配合の最適化により実現した、耐食性、耐衝撃性に優れた薬液専用のVPパイプです。
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NEW CONTENT
事例紹介最新製品ご採用事例
採用現場写真を中心にご採用事例をご紹介!ご採用の経緯や決め手もご紹介しています。
これ以降は会員の方のみご利用いただけます
会員登録済みの方
未登録の方
<営業担当から一言>
プラントシステム営業部
東日本プラントシステム営業所
中川 龍太
川崎重工業株式会社 野原様、株式会社カワサキライフコーポレーション 河合様
ご多用の中、インタビューの機会をいただき、心より御礼申し上げます。
貴社が推進されているサステナビリティへの取り組みにより、クウチョウハイパーCHをはじめとした建築製品に加え、プラントハイパーBK、UVストロングなど弊社「サステナビリティ貢献製品」を多数ご採用いただき、大変光栄に存じます。
樹脂管材は軽量で腐食に強く長寿命で工場の安定操業にお役立ていただき、嬉しく思います。今後も製品品質やサービスの向上を通じて、貴社の持続可能な取り組みに微力ながら貢献できるよう努めてまいります。より御礼申し上げます。