Introduction
東京都武蔵野市吉祥寺駅のほど近くに校舎を構える、成蹊⼤学は1912年(明治45年)に成蹊実務学校として創⽴され、百⼗余年の歴史を誇ります。成蹊の名は史記の「桃李ものいはざれども、下おのづから蹊を成す」に由来し、国内外で活躍する数多くの有為な⼈材を社会に送り出しています。
また防災対策としてはAEDや防災倉庫も完備され、2025年1⽉にはセキスイの災害⽤マンホールトイレ(貯留型)が10基設置されています。
今回は成蹊学園の防災訓練の⼀環として、トイレの設営訓練が⽇本道路・東⽇本セキスイ商事の協⼒により⾏われるとのことで、取材に伺いました。なお当⽇は成蹊学園の教職員21名が参加。災害⽤マンホールトイレ(貯留型)の仕組みや組み⽴て⼿順の説明後、実際に防災倉庫に備蓄されているトイレキットやテントの組み⽴てを⾏い、さらに災害時の断⽔を想定し隣接するプールからポンプで⽔引作業を⾏うなど、本番さながらの設営訓練となりました(設営数︓トイレ・テント各5台)。
このたび設営訓練を開催された成蹊学園の財務部の⼩泉様・管財課の加賀美様に災害⽤マンホールトイレ(貯留型)が設置された経緯や設営訓練の開催の狙い、ご感想についてお話を伺いました。
インタビュー : 2025年7月23日 成蹊大学 学生会館にて
Guest
学校法人 成蹊学園
財務部 部⻑ 小泉 ⼀将様
管財課⻑ 加賀美 佳秀様
管財課 田中 開様
成蹊大学学生支援事務室 菅井 聡子様
日本道路株式会社 東京支店 ⻄東京営業所 坂井 崇央様
Interview
- ———今回ご採用いただいた経緯をお聞かせください
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小泉様 : 以前、⼤学北側のグラウンドに災害⽤マンホールトイレ(貯留型)1列5基を設置しました。このマンホールトイレは、グラウンド高架⽔槽のバルブをひねるだけで⽔を溜めることができるだけでなく、グラウンドの南側の道路の下⽔道本管と直に繋げることができますので、非常に使い勝⼿が良いのです。
ただし、グラウンドは⼤学の建物から距離があったので、大学の建物に近く、プールからポンプで水を引き込める場所にマンホールトイレを設置すれば、有事の際に学⽣がトイレを使いやすくなると考え、今年の1⽉に同じものを2列10基、⼤学南側に設置いたしました。
2年前の9⽉に停電が起きた際に、学内では、建物内のトイレが停電時でも使えるようにしておくことが重要であると関心が高まったため、対応策について検討したのですが、成蹊学園はポンプによって井⼾の水を汲み上げて各建物に給水しているので、停電時でも建物内のトイレを使えるようにするには、ポンプの非常用電源を整備しなければなりません。それにはかなりの電力量と費用が必要でしたので、限定的に学園本館の給水系統にだけ非常用電源を配備しました。しかし、学園本館のトイレだけでは、災害時のトイレ対応としては心もとないこともあり、マンホールトイレを増設したということです。
予算の問題もありますが、⼤学の敷地内にはまだ空いているスペースがありますので、今後もマンホールトイレの増設を検討したいと考えています。
- ———定期的に防災訓練はされるのですか
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小泉様 : 本学では防災関係のプロジェクトチームで、いつ起きるか分からない有事に関して常に検討を重ねており、トイレが⼀番の優先事項だろう、ということで順次整備していくことになっています。その⼀環として今回の設営訓練を⾏いました。 プロジェクトチームでは、教室から学⽣を避難する通常の避難訓練の打合せもします。いかに非常時に学⽣たちを安全に誘導するか、そういうことを毎⽉検討しています。
加賀美様 : 防災訓練は年に1回実施していますが、以前に災害用マンホールトイレ(貯留型)の設営訓練を行ったのは、熊本地震が発生した時だったと思います。熊本の学校でトイレが使用できなくなったというニュースをきっかけに実施しました。
その際に使いやすさを実感したことから、今回もセキスイさんの災害用マンホールトイレ(貯留型)を10台追加設置することにいたしました。
本学は私立学校のため、基本的に地域の避難場所には指定されていませんが、大学には約1万人の学生が在籍しています。そのため、万が一震災が発生した場合でも、トイレに困ることがないようにすることを目標としています。
また、BCPマニュアルにおいてもトイレ対策は必須項目となっております。
- ———他の学校との情報共有などがありますか
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加賀美様 : 定期的な情報共有や意見交換などは行われていないのが実情です。
だからこそ、今回の災害用マンホールトイレ(貯留型)の設営訓練のように、学園の皆さんに知ってもらえる機会をつくりたいと考えました。単に「製品として学園にある」というだけでなく、実際に組み立てを行うところまで訓練で実施することで、いざという時に備える意識を全員で共有し、災害用マンホールトイレ(貯留型)の運用面・ソフト面でのパフォーマンスを高めておきたいと考えています。
- ———実際、設置方法など多くの方々に共有していただく設営訓練は意義がありましたか。
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加賀美様 : 災害用マンホールトイレ(貯留型)は、ハード面の製品です。
一方で、ソフト面――つまり災害時の運用方法については、自分たちで考える必要があります。
今回、避難訓練の一環として実施した設営訓練では、教職員が実際にマンホールトイレ(貯留型)の設営を体験し、組み立てや撤収が簡単にできることを共有できたのは、大きな意義があったと思います。
皆がマンホールトイレ(貯留型)の仕組みを理解し、一度実際に設営を経験しておくことで、いざという時にもすぐに対応できると思います。
- ———セキスイの災害用マンホールトイレ(貯留型)を知った経緯を教えていただけますでしょうか
- 小泉様 : 随分前のことになりますが、当時防災トイレに関していろいろ調べ、各社さんと話をさせていただき、⽐較検討していた際に、武蔵野市さんにも聞いたところ、公園でセキスイさんの災害⽤マンホール(貯留型)を実際に採⽤している、と教えていただきました。それからキャンパスの整備を担っていただいている⽇本道路さんにも相談して、その結果、採⽤させていただくことになりました。
- ———設置されたマンホールトイレ(貯留型)は下水道直結型ですが、汲み取りタイプと比較検討されましたか
- ———本日、ご参加いただきました21名はどのような方々でしょうか
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小泉様 : 防災プロジェクトチームに参加している教職員と若⼿に参加してもらいました。本⽇学んだことを継承していかなくてはならないので、若⼿職員の頭の⽚隅にでも『建物のトイレが使えなくなったら、あそこで作ればいい』ということを体験として記憶してもらえたら幸いです。災害時に必ず私たち財務部がいるわけではありませんので、できるだけ各部の若⼿に参加してもらいました。いざという時に説明書を⾒るようではいけませんから。未経験の者が初めて触って体験・理解できる定期的なイベントを今後も開催したいと考えています。
- ———皆さまが実際に設置されているのをご覧になって、いかがでしたか
- 加賀美様 : 災害⽤マンホールトイレ(貯留型トイレ)は予め地中に設置してありますし、トイレキットやパネルなどはマニュアルと⼀緒に梱包して保管されています。今回の訓練でシステム全体や設置の流れを皆が理解できたと思います。まず何から組み⽴てればいいのか。セキスイさんと⽇本道路さんに作っていただいたマニュアルと、今⽇カメラマンの⽅に撮ってもらった写真も使って学園独⾃の設置マニュアルを作成すれば、さらに全体の仕組みや流れについてイメージがしやすくなるのではないかと考えています。
今回はさらにプールから⽔をポンプで引いて、マンホールトイレ(貯留型)に利⽤するまでの⼀連の流れも共有することができました。初めて参加した若⼿もすぐに理解して、組み⽴てていましたね。セキスイさんの災害⽤マンホールトイレ(貯留型)は設営が簡単で誰もが出来る製品であることは有難いです。
災害時には、誰が現場にいられるか分からないので。今⽇は学園の施設設備を管理しているエネルギーセンターの所⻑も設営訓練に参加していました。皆が組み⽴て⼿順の説明を受け、防災意識を持って対応できたと思います。
- ———製品へのご要望など、お聞かせください
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加賀美様 : 本日のような炎天下で災害用マンホールトイレ(貯留型)を設営するのは、暑くて大変なのではないかと思いました。
たとえば、トイレのパネル内部に冷風機を設置できるような開口部や通風孔があればよいと思います。
通常は塞いでおき、冷風機を使用する際にだけセットできるような構造です。工場などで使用されるスポットクーラーを活用し、1台のスポットクーラーで5基程度のトイレを冷却できるような仕組みがあれば理想的です。
災害の状況によっては電源を確保できる場合もありますので、そのような対応が可能になると非常に助かります。
マンホールトイレ(貯留型)の利便性を少しでも高める仕組みが、オプション品でも構いませんので追加されれば、災害時に非常にありがたいと感じます。
セキュリティ面との両立も必要かもしれませんが、災害時であっても快適であるに越したことはありません。ぜひご検討いただき、今後ともより良い製品の開発をよろしくお願いいたします。
———貴重なご意見ありがとうございました。製品に関して開発部門と検討していきたいと思いますので、これからもよろしくお願いいたします。
< 設営訓練の開催に協力された日本道路様より一言 >
(日本道路 東京支店 西東京営業所 坂井 崇央様)
弊社では国道、都道、高速道路、滑⾛路など道路整備全般の事業を⾏っており、成蹊学園様においては正門からロータリーまでの道路整備や北側にあるサッカー場、そして今回の災害⽤マンホールトイレ(貯留型)の⼯事も対応させていただきました。
今回トイレの設営訓練の開催に協⼒させていただくことは初めての経験でしたが、お客様と同じ目線で参加させていただき、非常に参考になりました。以前からセキスイさんの災害⽤マンホールトイレ(貯留型)は神⼾市と共同で開発した製品で、組み⽴てがしやすく、成蹊学園様で続けて採⽤されていることは知っていたのですが、実際に設営訓練でトイレキットやテントの組⽴てを通じて、使い勝⼿の良さを詳しく知ることができました。皆さまの災害時の安⼼安全につながる製品ですし、弊社としても製品を設置させていただくハード⾯に留まらず、その後の取扱い⼿順のご案内やレクチャーなど、ソフト⾯についても貢献してまいりたいと考えていますので、引き続きご協⼒のほどお願いします。
<営業担当から一言>

東日本セキスイ商事株式会社
防災・減災プロジェクト
プロジェクトヘッド
清谷 智広
今回防災・減災プロジェクトの協⼒企業である⽇之出⽔道機器㈱、㈱川本製作所、㈱総合サービスの皆様にも当⽇設営のサポートをしていただき、非常に助かりました。
パネル式やテント式の建屋や便器の設営は何度も経験してきましたが、実際にプールから災害⽤マンホールトイレ(貯留型)への注⽔作業は初めてでしたので、貴重な経験となりました。今後も皆様との実体験の場を増やすことで、より多くの⽅々に使⽤⽅法を知っていただきたいと思っております。成蹊学園の皆様、このたびは災害⽤マンホールトイレ(貯留型)を設置いただき、誠にありがとうございました。また貴重なご意⾒も多数いただきましてありがとうございました。今後の製品開発に是非活かして参りたいと思っております。
Products
今回ご紹介させていただいた製品
災害用マンホールトイレ(貯留型)防災貯留型トイレシステム
製品解説———
地震等の災害時、食事の確保だけでなく、トイレ問題が大きな問題となっています。積水では、阪神・淡路大震災の経験を反映し開発した、避難所等にあらかじめ設置したマンホールの蓋の上に仮設トイレを設置した“防災貯留式”をご提案します。使用時には、仮設トイレ用の管路にプール等から水をためることで臭いの問題を低減し、汚物が溜まった貯留槽の弁を1日1回~2回開け、汚水を下水道本管に一気に流します。貯留槽1基で5個の仮設トイレが基本です。管路もリブ付硬質塩ビ管を採用したものであれば浮上防止対策にも万全です。

特長
例えばこんな時に…



平常時は学校・公民館などの駐輪場に!
自転車置場兼災害用トイレブース

身障者用ブース(手前)も対応可能
市民マラソンでの使用例
仮設トイレシステム設置後
平常時の訓練も大切です!
災害用パネル式トイレ設置の様子
これ以降は会員の方のみご利用いただけます
会員登録済みの方
未登録の方


< マンホールトイレ(貯留型)の設営訓練へ参加された職員の方より一言 >
(成蹊学園 管財課 田中様)
管財課は災害時には災害本部となり、何かあった際には中⼼で対応する役割の部署となります。4⽉に⼊職したばかりですので今回の訓練で初めて学内に災害⽤マンホールトイレ(貯留型)のことを知りました。組み⽴てをやってみると意外とラクに出来たので、安⼼しました。
(成蹊大学 学生支援事務室 菅井様)
トイレの設置は、複雑で、⼒仕事で、時間がかかるイメージをしていましたが、何⼈かで協⼒してやってみると意外にスムーズに作業を進めることができました。実際に災害が発⽣した際にも、冷静に対応して、⾃分も⼒になれるのではないかと思いました。組み⽴てる時には⻘のマークと⻘のマークを揃えるとか、直感的にわかりやすいのもよかったです。