工場・研究所 合成木材
排水処理槽に防臭蓋を落としてしまい工場生産ラインが停止
毎日の点検作業を安全かつ効率化した鍵は「水に浮く蓋」だった
製造業(電子部品) D社 安全環境部 O氏
電子部品製造工場で排水処理施設の運転管理を担当するO氏。施設点検は毎日頻繁に行っており、工場周辺の環境を維持するためにも欠かせない重要な業務だ。しかし点検時は毎回重い鉄蓋を開閉しなければならず、転落防止のために二人一組での作業が必須だ。そのため限られた人員で業務を回すには大きな負担となっていた。
そしてついに恐れていた事態が・・・。

重い蓋が日々の点検業務を圧迫
日々大量に発生する工場排水を適切に処理することは、環境保護のためにも欠かせません。万一排水処理施設に不具合が生じれば環境汚染につながる恐れがあります。そのためO氏の工場では毎日何回も、処理施設を巡回しながら処理槽の防臭蓋を開け、稼働状態や水質をチェックしています。鉄製の蓋は一枚あたりの重さが20㎏以上もあります。一人で開閉しようとするとバランスを崩して転落する可能性があり非常に危険です。そのため点検作業は常に二人一組で行うことにしていましたが、限られた人数で他の業務と並行して行うのは大きな負担でした。
槽内に蓋を落とし生産ラインが停止!
そんなある日、いつものように二人の作業員が鉄蓋を開けようとしたそのとき、手を滑らせ誤って蓋を排水槽内に落としてしまうという事案が起きてしまいました。
直ちに蓋を回収しようとしましたが重い鉄蓋は排水槽の底に沈んでしまい、いったいどこにあるのか、上から覗いてもわかりませんでした。結局、槽内の水を抜いて蓋を回収することとなり、その間は排水の流入を防ぐため、工場の生産ラインも止めなければなりませんでした。さらに鉄蓋を落とした際に槽内の機器を損傷させていたことも判明し、その対応にも追われることとなりました。
この経験からO氏は、一人でも容易に開閉できる蓋にすることで、毎日の点検作業を安全で効率的なものにできないかと考えるようになりました。
課題のポイント
- 1. 一人で安全に開閉できる蓋で点検作業を効率化したい
- 2. 万一槽内に落としても回収が容易な蓋にすることで生産活動への影響を抑えたい
課題解決事例は事実をもとに再編集しております。