その他 補修材
頻繁なレールの腐食(電食)に悩まされていた地下区間の保守
画期的な防食対策でレールの長寿命化に成功!
運輸 H社 保線課 K氏
鉄道のレール寿命は摩耗によるもので、一般的に数十年と言われている。しかしレールの敷設環境によっては2年程度でレールが腐食し、交換を余儀なくされるケースがある。通常よりも短い周期でのレール交換によるメンテナンス費用の増加に加え、突発的なレール交換工事による人手の確保も深刻な問題だ。H社で保線業務の管理を担当するK氏も、腐食したレールの交換対応に頭を痛めていた。

数十年以上使えるはずのレールがわずか数年で腐食(電食)
レール腐食の中でも、レールを流れる電流の一部が地面へ漏洩することで電解腐食することを電食といい、特に地下やトンネルなどの湿潤な環境において発生しやすいとされています。 電食したレールは断面が減少し、電解腐食が内部にまで進み強度が低下するため、交換しなければなりません。K氏が担当する区間でも電食により頻繁なレール交換が発生していました。しかし本来数十年近く使用するレールをわずか数年で交換するとなると、それだけメンテナンス費用が高くなってしまいます。


数年おきの交換、人件費高騰で膨らむコスト
安全第一の鉄道現場では工事計画を変更し、緊急でレール交換を行うことも珍しくありません。しかし昨今の人手不足の影響から、急な夜間工事における人員確保は難しく、人件費の高騰も大きな課題でした。しかもレールからの漏電がなくならない限り、数年おきに交換を続けなければなりません。
レール長寿命化でコスト削減―しかし、難航する防食対策
そこでレール交換費用を削減するため、K氏は防食対策によってレールの長寿命化を図ることにしました。調べてみるとレールの防食対策にはさまざまな方法があることが分かりました。塗装をはじめ防食ライニングなどあらゆる方法を試してみましたが防食性能が低く、すぐに剥がれてしまうなど期待した効果は得られませんでした。またレール表面に塗装やシートなどを貼るとその場で電食の有無が確認できません。性能評価と現場での安全管理の両面で課題を抱え、K氏はレール長寿命化に向けて試行錯誤を繰り返していました。
課題のポイント
- 1. 防食対策によるレール長寿命化でメンテナンス費用を抑えたい。
- 2. 防食性能・密着性に優れる対策方法。
- 3. 防食効果を現場で容易に確認したい。
課題解決事例は事実をもとに再編集しております。