設計・運転時の注意
HTパイプの使用条件について
HT管路の使用温度、圧力について教えてください。
HT管路の許容圧力は使用温度、サイズによって違います。
使用条件をご確認の上ご使用ください。
解説
熱可塑性樹脂は、温度上昇に伴い軟化する性質があります。
HTパイプは一般の塩ビ管に比べ、樹脂の塩素化度を高めることで高温の給湯管として使用できるようにしております。
しかし、HTパイプも熱可塑性樹脂であり、温度上昇にともない強度は低下します。
管の耐水圧は材質の引っ張り強度に相関しますので、温度が上昇すれば耐水圧も低下します。
また、水圧により管肉厚の円周方向に発生する応力は、サイズにより異なります。
以上の理由でHTパイプの許容圧力は温度とサイズによって違い、高温になるほど、サイズが大きくなるほど許容圧力は低くなります。

F=P(D-t)/2t (NADYの式)
F:円周方向応力、P:水圧
D:管外径、t :管肉厚
F:円周方向応力、P:水圧
D:管外径、t :管肉厚
対策
HTパイプ、継手は下表の温度、圧力範囲内でご使用ください。
単位:MPa
温度 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
~40℃ | ~65℃ | ~70℃ | ~80℃ | ~85℃ | ~90℃ | ||
呼び径 | 13~25 | 1 | 0.8 | 0.6 | 0.5 | 0.35 | 0.3 |
30~50 | 1 | 0.6 | 0.4 | 0.35 | 0.25 | 0.2 | |
65~150 | 1 | 0.5 | 0.3 | 0.25 | 0.2 | 0.15 |
●設計時にHTパイプの使用条件が守られていても、実使用において使用条件を超えた運転をされ、事故が発生する事例があります。設計時、使用時ともに十分ご注意ください。