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下水道用硬質塩化ビニル製ますとは

コンクリート製のマスが普通であった時代のこと。当社の営業マンが北海道のあるお役所を訪ねると、「積水化学さんの塩ビ管でマスができないものか?」と尋ねられたのです。
この話を持ち帰った営業マンが、当時の岩見沢工場の“ものづくり名人”に相談すると、「やってみよう」とうなずいたその人が、熱間工法の技を駆使して大小の塩ビ管を加工。塩ビ製のマスをこしらえて、下水道配管に使っていただいたのが我が国塩ビマスの始まりとなりました。
ただ、ノコギリやトーチランプを用いて塩ビ管を加工する熱間工法は究極のハンドメイドの技。サイズや流水パターンなど、用途ごとに多くの品揃えを必要とする塩ビマスが工場生産化されるまでには、まだ何年もの歳月が必要でした。

下水道用硬質塩化ビニル製ますの基礎知識

塩化ビニル製ますは、その名の通り硬質塩化ビニル樹脂を射出成形機と金型によって成形したもので、塩ビ管と接合することにより浸入水を防止するとともに、耐久性に優れた下水道管路を構築できる製品です。
また、コンクリート製のマスに比べて遥かに軽量で、配管場所の省スペース化(狭小場所での設置)や施工効率のアップ、コスト削減を図ることができます。

下水道用硬質塩化ビニル製ますの用途別の種類

下水道用硬質塩ビ製宅地ます(ハイスイマス)

  1. 軽量でコンパクトな硬質塩化ビニル製の宅地マスです。
  2. 狭小地での施工に抜群の威力を発揮します。
  3. 水密性、耐久性に優れた排水管路を構築できます。
  4. 豊富なインバートが揃っています。

積水化学の硬質塩化ビニル製宅地ます

エスロンハイスイマス

狭小地での施工に抜群の威力を発揮するなど、施工の自在性を高めた高機能のマスです。
使いやすさに徹した豊富なインバートが揃い、軽量・コンパクトな塩ビ製宅地マスです。
用途や目的に合わせて排水管径・マス径などのサイズや45度交流や平行インバート、起点トラップなど多彩なバリエーションを取り揃えています。

クエスチョンポイント

インバートとは

インバート(invert)を辞書で引くと、「転倒」や「転化」といった言葉が出てきますが、下水道用語では「排水中の汚物などが溜まって詰まらないようにするため、マンホールやマスの底部に設ける半円状の流路」のことです。
塩ビ製のマスでは掃流性を高める為のインバートが生産段階で設けられているのですが、コンクリート製のマスの場合、現場でのインバート構築を求められるケースもあるほど、マスの底のインバートが果たしている役割は大きいのです。

三方向合流(90WYS・45WYS)

三方向に流入側をもつインバートで、90度と45度の2種類があります。

クエスチョンポイント

鳥居配管ってどんな配管?

障害物を避けるため、凸状に配管することで、その形状が神社の鳥居を連想させることから鳥居配管と呼んでいます。
ただ、給水配管(圧送)での鳥居配管にはエア溜まりが生じる可能性があり、河川横断の水道橋で見かける空気抜き弁のような処置を施しておかないと、ウォーター・ハンマーや振動を起こしやすくなります。
排水管(自然流下)での鳥居配管は、上流側の管路に水が溜まってサイホンの原理が働くまで流れず、堆積物が詰まるなどの心配がありますので避けなければなりません。
なお、凹状の逆鳥居配管もありますが、こちらも空気抜き弁など適切な対策が必要です。

鳥居配管

左右合流段差付(WLS)

汚水量が多くなる左右2系統からの合流点にお使いください。
汚水の逆流を防ぎます。

平行・90度合流(H&Y)、平行・90度合流段差付(H&YS)

流入枝管の回転で、平行インバートから90度合流までマスが変身します。
流入枝管側が180度回転することにより、平行インバートまたは90度合流として使用できます。
平行から90度合流の間で流入枝管の角度調整が自由自在に行えます。

起点トラップ2本付(UTWK)

浴室排水において、浴槽と洗い場など二つの排水管が近接している時にお使いください。

クエスチョンポイント

トラップって何!?

trapは罠。罠で動物を捕まえるように、排水管路からの臭気や小動物の侵入を防止するために設置するのが排水トラップであり、トラップマスです。
日常、目にするトラップに流し台の排水口の奥に設けられた蓋(椀トラップ)、洗面台の下のS字配管(Sトラップ)、水洗便器に溜まった水(作り付けトラップ)などがありますが、埋設施工されているトラップマスも役割は同じです。
このトラップ設置の際、厳禁なのが二重トラップ(ダブルトラップ)。二つのトラップを直列配置すると、トラップ間の空気の行き場が無くなって排水不良の原因となるためです。

トラップって何!?

トラップ・90度合流(UT-Y)

マス内の上流側にUトラップを、下流部に90度合流の枝管を組み込んだ2本合流マスです。
上流側に器具トラップのない排水管(例えば浴槽)を、下流側に器具トラップが付いている排水管(例えば洗い場)を接続する場合にお使いください。

90度合流・トラップ(Y-UT)

マス内の上流側に90度合流の枝管を、下流部にUトラップを組み込んだ2本合流マスです。
上流側に器具トラップが付いている排水管(例えば洗い場)を、下流側に器具トラップがない排水管(例えば浴槽)を接続する場合にお使いください。

曲点トラップ(UT-L)

屈曲点の近くでトラップを使用する場合、曲点トラップをお使いいただくとマスを一つにまとめることができ、施工の合理化が図ることができます。

クエスチョンポイント

マス(排水枡)とマンホールとの違いは ?

マンホール(manhole)は、地中に埋設した下水道や電気・通信ケーブル管渠などのメンテナンスのため、地上から人が出入りできるように設けた立孔のことで、人孔やメンテナンスホールと呼ぶこともあります。
また、下水道のマンホールは流れの方向転換や合流などの役割を担っています。
マスも排水ライン・メンテナンスの役割を担い、汚水や雨水の方向転換や合流などの役割を担っているところは同じで、両者の違いを一言で言うならメンテナンスのため人が出入りできるかできないかということになるでしょう。
なお、電気や通信ケーブルラインではマスに相当するもの、つまり人が入れない点検口をハンドホールと呼んでいます。

ブンリシマス

流入、流出の管底差が小さいため、汚水の飛び散りがなく、ゴミを確実にキャッチします。
バスケットとトラップに取っ手が付いていて掃除の時に便利です。

クエスチョンポイント

汚水枡&会所枡に流れ込む排水の種類は ?

住宅など建物の排水設備ごとに設置されているのが排水ますで、その排水ますのうち、水洗トイレからの排水が流れ込むマスを汚水ます、台所の流し台や洗面台、風呂場、洗濯機などの排水が流れ込むマスを会所ますと分けて呼ぶことがあります。
ただ、下水道で汚水といえば、水洗トイレや流し台などの排水を合わせてのものですから流し台や風呂場からの排水が流れ込むマスもまた汚水ますということになります。

下水道用硬質塩ビ製公共ます(コーキョーマス)

  1. 軽量、コンパクトな硬質塩化ビニル製の公共マスです。
  2. 接着接合、ゴム輪接合により不明浸入水対策も万全です。
  3. 立上りコーナー部に丸みがありますので、点検、維持管理が楽です。
  4. インバート部に勾配がつけてありますので、正確に設置できます。
  5. 鋳鉄製防護ハットも豊富に揃っています。

積水化学の硬質塩化ビニル製公共ます

エスロンコーキョーマス

優れた耐震性で地震に強い管路を構築できる高機能マスです。
従来のコンクリートマスと比べて約1/3のコンパクト設計で、軽量性にも優れているため施工効率が大幅にアップします。
接着接合やゴム輪接合による不明水の侵入防止対策も万全です。

クエスチョンポイント

排水桝と公共桝の違って ?

建物の排水設備(トイレ、浴室、キッチンなど)から汚水を流すための排水ラインの点検用に設置するものを排水ます、宅地内からの排水全てが合流する地点に設置するものを公共ますと呼んでいます。
排水ますは、その役割上、宅地内に設置されていますが、公共ますは宅地内に設置する場合と公道に設置する場合があり、公設ます、最終ますと呼ばれることもあります。

ゴム輪型塩ビ製エスロンコーキョーマス(耐震コア内臓)

新開発・内蔵型耐震コアで、公共マス本体への影響なしに排水管の突っ込み(18mm)を吸収。曲げ、伸縮など、あらゆる地盤変位に無類の強さを発揮します。
芯出しリングを採用していますので、排水管を挿入するだけで芯ずれを起こさず、段差のない施工ができます。
また、地震時に排水管に曲げ方向の力が加わった場合にも、接合部にはほとんど段差が生じない設計となっています。
ゴム輪受口で取付け管の角度微調整に対応するとともに、地盤変位による曲げが生じた場合、管の割れやマス受口部の破損を防止します。
内蔵型耐震コアは、公共マス奥部および排水管との間に段差がないため、汚物の滞留がなく、掃除器具やTVカメラによる点検・維持管理性も容易です。
公共マス脚部の底板により、基礎を乱すことなく公共マスをスライドさせて位置決めや設置ができます。

流入自在インバート・合流サドル

立上り部の任意の位置に合流サドルを接着接合することにより、段差、流入管の角度調整が自由自在に行えます。

鋳鉄製防護ハット

公道設置に欠かせない25t、14t、8t耐荷重用鋳鉄製防護ハットを豊富にラインアップ。台座リングとの組み合わせで簡単に設置できます。

クエスチョンポイント

地獄配管ってどういう事!?

塩ビパイプの配管を二つの方向から進めて、いざ接続となった時、ソケットが入らず、接続困難な状態を“地獄”、また地獄配管と呼んでいます。
実際、建物配管の立て管の一部に問題があり、その部分のみを取り替えたいといった補修工事の現場で起こりがちな現象です。
そこはそれ「地獄に仏」とはよく言ったもので、やりとりソケット(エスロンDVLES継手)を用いることにより、この地獄の責苦から見事、抜け出すことができるのです。

樹脂製雨水浸透マス・雨水マス

  1. 雨水を貯留してゆっくりと流す雨水マスを公共用、排水設備用ともに豊富にラインアップ。
  2. 硬質塩ビ製ならではの軽量性、コンパクト性で、施工効率のアップに役立つとともに、スペースに余裕のない境界際などの狭い場所でも設置できる設計になっています。
  3. 整流板によって雨水中の泥やゴミを効率よく分離。泥溜ボックス内に滞積させることにより、再流出を最小限に抑えることができます。

積水化学の雨水浸透マス・雨水マス

エスロン雨水浸透マス・雨水マス

降った雨を大地にもどす雨水浸透マス。公共用から排水設備用まで、きめ細かな製 品構成で“雨に強い街づくり”に貢献します。
国土交通省では“雨に強い街づくり”を目的として、浸水被害の解消を目指す「雨水 貯留浸透事業」を全市町村で実施するとともに、新たな雨水浸透機能を有する管渠を補助対象とする事業を実施しています。
エスロン雨水浸透マスはこの事業に適用できる製品であるとともに「下水道雨水浸 透技術マニュアル」【(公財)日本下水道新技術機構】にも準拠した内容となって おり、車道、歩道、公園、グランドなど幅広い用途で水害に強い街づくりに貢献します。
また、硬質塩ビ製ならではの軽量性で施工の省力化に役立つとともに、コンパクト な設計で、省スペース施工ができます。
浸透性においても経年変化がなく、安定した浸透能力を維持します。

クエスチョンポイント

雨樋(どい)と雨水枡(桝)の関係は ?

住宅など建物の屋根に降った雨水を集めて流す雨樋。かってはその雨樋から側溝に直接流すことが多かったのですが、合流式下水道や分流式下水道では雨樋から雨水ますを経て下水道へと流しています。
その雨水ますの役割の一つが、雨水ラインの点検口となっていることです。

クエスチョンポイント

雨水浸透枡の役割は ?

昔、雨は大地に降って地下水となっていました。しかし都市化が進むとともに甍が連なり、道は舗装されて雨と大地が遮られることが多くなっています。
そのような都市化の中で降った雨水は、合流式下水道であれ、分流式下水道であれ、下水道によって川へと送られるのですが、下水処理場の能力には自ずと限界があり、河川の能力にもまた限りがあると言わざるを得ません。
このような中、宅地内に雨水浸透ますを設置して雨水を大地に戻せば下水道や下水処理場の負担軽減につながり、街の雨水対策、浸水対策となるとともに、地下水の保全にも役立ちます。

NEWエスロンコンパクト雨水マス/コンパクト雨水浸透マス

宅地内に設置する雨水マスの用途では、とくに都心部などの狭い敷地に設置するのに納まりの良い、硬質塩化ビニル製雨水マス(塩ビ製雨水マス)の需要が増えています。
しかしながら塩ビ製雨水マスは、排水管の口径や流入出の角度によって品種の選定をする必要があり、配管設計段階での品種選定や、流通における多品種の在庫管理が煩雑であることが、お客様の声として挙げられていました。
当社では狭小地への設置が可能なコンパクト形状かつ1品種で様々な排水管口径・流入出角度の配管に対応できる施工自在性を併せ持った画期的な「コンパクト雨水マス」を開発。
さらに雨水が浸透しやすいよう底部に有孔部を設計した「コンパクト雨水浸透マス」が新登場!タメマスの施工自在性と塩ビマスのコンパクト性を併せ持ち、1品種で様々な配管に対応。コンパクトなため狭小地への設置も容易です。「穴あけガイドライン」と「穴あけ禁止エリア」の表示で簡単施工を実現した、宅地内に設置する塩ビ製雨水マスです。

クエスチョンポイント

合流式下水道と分流式下水道って ?

住宅などから出た汚水(建物排水)と雨水をあわせて下水といいます。
その汚水と雨水を1本の管で下水処理場まで送るのが合流式下水道。汚水と雨水を2本の管(汚水管と雨水管)で別々に流して汚水は下水処理場に、雨水は河川に直接放流するのが分流式下水道です。
合流式下水道は1本の管布設で済むため、古くから採用されているのですが、大雨の際、処理能力を超える下水が処理場に流れ込むことがあり、貯留管を設置するなどの改善策が進められています。
分流式下水道なら処理場に流れ込むのは汚水のみなのですが、道路に降った雨の汚れを別途処理する施設が必要なケースもあります。
また、既設の合流式下水道を分流式下水道に切り替える場合、新たに雨水管を布設し、宅地内の排水設備も汚水と雨水に分けて集められるよう変更するなどの課題があります。

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