「株式会社脱炭素化支援機構」への出資について

2022年10月28日
積水化学工業株式会社

  積水化学工業株式会社(代表取締役社長:加藤敬太、以下「当社」)は、環境省が本日設立の株式会社脱炭素化支援機構(以下「脱炭素化支援機構」)に対し、設立時募集株式引受人として出資を行いました。
  脱炭素化支援機構は、国の財政投融資からの出資と民間からの出資(設立時は計204億円)を原資としてファンド事業を行う株式会社です。2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、脱炭素に資する多様な事業への投融資(リスクマネー供給)を行い、脱炭素に必要な資金の流れを太く、速くし、経済社会の発展や地方創生への貢献、知見の集積や人材育成など、新たな価値の創造に貢献します。

脱炭素化支援機構設立の背景・目的

  近年、世界全体で気候変動が問題視され、持続可能な社会を作るために脱炭素社会の実現が求められています。そのようななか、脱炭素社会の実現に資する新技術の創出には、事業会社にとって高いリスクを伴う一方で、開発段階で資金需要が発生し、金融機関ではリスクを引き受けることが難しい状況にあります。

  脱炭素化支援機構は、開発段階での資金提供を可能とし、事業会社の財務健全性の向上と信用力の向上を見込みます。また、リスクを脱炭素化支援機構が取ることで、金融機関の対象企業への融資負担の減少、 取引安全性の向上により、金融機関が投資を行いやすくします。新技術創出への投資を拡大させ、脱炭素社会の実現に寄与することを目的としています。

当社出資の目的

  当社は、脱炭素化支援機構に出資することで、脱炭素社会の実現に寄与する先端技術が大きく発展、普及するよう、官民一体となって貢献を図ります。また、本出資による脱炭素を検討する事業者との情報交換や交流を通じて、脱炭素分野の知見形成、事業機会獲得などを期待します。

脱炭素化支援機構の概要

名称        

株式会社脱炭素化支援機構

代表取締役社長

田吉禎彦

創立         

2022年10月28日

出資金      

設立時204億円(民間株主102億円・財政投融資(産業投資)からの出資102億円)
※設立時出資金のうち102億円が資本金、102億円が資本準備金(いずれも投融資に活用可能)
※国の財政投融資からの出資金は、機構の投融資の状況に応じ、令和4年度末までに最大総額200億円(設立時出資金102億円を含む。残り98億円)まで追加出資の余地がある。
※令和5年度分は、財政投融資からの出資金を最大総額400億円、機構が金融市場で資金調達する場合の政府保証(5年未満)200億円を、環境省から財務省に要求中。

所在地

東京都港区虎ノ門1-1-12 虎ノ門ビル9F

環境省HP
https://www.env.go.jp/policy/roadmapcontents/post_167.html

当社グループの脱炭素に資する新技術・新事業

  当社グループは、長期ビジョン「Vision 2030」において、「Innovation for the Earth」をビジョンステートメントとして掲げ、イノベーションにより「サステナブルな社会の実現に向けて、LIFEの基盤を支え、“未来につづく安心”を創造していく」ことを宣言し、脱炭素に資する新技術・新事業に取り組んでいます。

フィルム型ペロブスカイト太陽電池

  軽量で柔軟という特徴を持ち、さまざまな場所への設置が可能となる次世代太陽電池。当社は、屋外耐久性 10 年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスによる発電効率 15.0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功しています。現在は、2025年の実用化に向けて、1m 幅での製造プロセスの確立、耐久性や発電効率のさらなる向上を目指しています。

フィルム型ペロブスカイト太陽電池
フィルム型ペロブスカイト太陽電池

まちづくり

  エネルギー自給自足型住宅*、豪雨対策に貢献する雨水貯留設備、建築物を守る住インフラ材など、災害に強い当社グループの技術・製品を結集し、まちごと災害に強くします。20年後も30年後もずっと見守り、支え続ける サステナブルなまちづくりを日本全国へ展開していこうとしています。
*すべての電力を賄えるわけではありません。電力会社から電力を購入する必要 があります

あさかリードタウン
あさかリードタウン

バイオリファイナリー

  “ごみ”をまるごと “エタノール”に変換する生産技術であり、ごみ処理施設に収集されたごみを一切分別することなくガス化し、このガスを微生物により、熱・圧力を用いることなくエタノールに変換します。岩手県久慈市の実用1/10スケールの実証プラントで実証を進め、2025年度以降の商用初号機の導入を目指しています。環境価値の認知拡大のために、バイオリファイナリー事業のブランド「UNISON」を立ち上げました。

「UNISON」で目指す“新しい資源循環社会システム”
「UNISON」で目指す“新しい資源循環社会システム”

CCU技術

  独自開発した触媒と反応プロセスによって、CO2を90%という高い転化率で一酸化炭素に変換します。一酸化炭素は、世界中の化学産業で使用されている基本的な化学素材の一つであり、CO2削減と資源循環に貢献します。製鉄時のCO2排出の抑制に向け、アルセロールミタル社と共同で実証プロジェクトを進めています。

製鉄におけるCCU技術の活用
製鉄におけるCCU技術の活用

  これからも、当社グループは、持続可能な社会の実現と当社グループの成長の両立を目指して社会課題解決に貢献し、ステークホルダーの皆様に信頼される企業であり続けるための取り組みを進めていきます。

本件に関するお問い合わせ先

  積水化学工業株式会社 広報部
    E-mail:kouhou@sekisui.com