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わさびを育む北アルプスの雪解け[エスロンタイムズ103号]

環境省認定名水百選「安曇野わさび田湧水群」

安曇野市豊科・穂高

雪解け水に回る水車

日本アルプスの山肌や麓の田んぼに雪が残る早春、安曇野のわさび沢を訪ねるべく、JR大糸線の穂高駅に降り立った。

 穂高神社の社殿を模したというこの古い駅舎が今回の旅のはじまり。駅前にあるレンタサイクルの店に寄って自転車を借り、犀川の流れに沿って穂高駅と柏矢駅の間に広がる「安曇野わさび田湧水群」へと向った。

 もともとが犀川や穂高川などの扇状地、まぁ平坦な道といえるのだが、貸してもらった自転車がママチャリ。普段、乗り慣れているマウンテンバイクと比べると走りづらさを感じるのだが、そこは長閑な田園地帯。のんびりと辺りの景色を眺めながらペダルを踏む。

 まず目指したのが、わさび栽培で日本一の規模を誇るという大王わさび農場。

 観光客で賑わうだけあって、わさび田の周りに遊歩道とでもいいたいような周遊路が整備されており、安曇野の風物詩である道祖神も道のあちらこちらに祀られている。

 その道を辿りながら、ぽつぽつと白い花を咲かせているワサビの間をさらさらと流れる清らかな水を眺める。

 いつもならその水を汲んで味わうところだが、ここはわさび田。田に降りることは遠慮しなければと思い、呑むことは諦める。

 その農場の一郭に水車小屋。黒澤明脚本によるオムニバス映画「夢」の第八話「水車のある村」の撮影の舞台となったこともあるとかで、さすがの風景。

 こっとんこっとんか、ゴトゴトかは別にして水の流れに音を刻む水車や水車小屋に出逢うと何となく懐かしい気分になり、つい腰をおろして見入りたくなるのは編集子だけだろうか。

 もっとも今回は道端に雪が残る中。座り込むというわけにもゆかず、川の辺に佇んで、あの周りの樹々が青く芽吹く頃ならば、また夏の陽射しに川面が煌めき、背景にアルプスの山並みが広がる頃ならばと、薄雪の景色に不満があるわけではないが、その頃の風景に思いを馳せた。

タイムズ103号水車
湧き水でワサビやニジマス

この大王わさび農場などがある「安曇野わさび田湧水群」は昭和60年に環境省が認定した名水百選の一つ。

 北アルプスの雪解け水が扇状地を伏流し、安曇野の地(穂高、豊科、明科地域)で湧き水となっているもので、古くから田畑の開墾や農業用水などに用いられ、ワサビの栽培が本格化したのは大正時代とのこと。

 また、この辺りではわさび田を潤したあとの水でニジマスの養殖を行うなど、日量70万トンともいう清澄な湧き水の恵みを余すことなく利用している。

 なお環境省では平成20年7月、環境問題などが話し合われた洞爺湖サミットにちなみ、水環境保全の一層の推進をはかることを目的として「平成の名水百選」を選定。

 北は北海道の大雪山旭岳源水から南は沖縄の荻道大城湧水群まで、100箇所の名水が新たに加わったので、次回、水のある旅からはこの平成の名水百選も含めながらご紹介させていただく予定です。

タイムズ103号わさび

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