神戸市 下水道ネットワーク幹線 最終工区の二次覆工にエスロンRCP
今回は、エスロン管工機材情報誌「エスロンタイムズ 101号(平成19年10月発行)」にて掲載させていただきました記事からのピックアップ情報をお届け致します。
内容は、神戸市様が進められている「下水道ネットワーク幹線」の構築においてご採用頂いております強化プラスチック複合管「エスロン RCP」を紹介致します。
神戸市建設局様、須磨浦幹線JV工事事務所様のインタビューを交えた記事となっておりますので、ぜひご参考にされてはいかがでしょうか。

写真-1 須磨浦汚水幹線その2工事の駒ヶ林発進立坑に吊り降ろされるエスロンRCP
画期的な下水道ネットワークシステム 災害や都市変貌に強いシステム構築
神戸市が進めている総延長33.3kmの「下水道ネットワーク幹線」の構築。その最後の工事区間にあたる「須磨浦汚水幹線布設工事(その2)」(工事区間4.4km)の上流側約2.6km(海浜公園中間立坑から駒ケ林公園発進立坑まで)のシールド二次覆工に強化プラスチック複合管「エスロン RCP」(口径2400mm)をご採用頂いております。
今回は、神戸市建設局中央水環境センター様と鹿島・戸田・佐藤・銭高特定建設工事共同企業体須磨浦幹線JV工事事務所様にエスロンRCPについてインタビューしてまいりました。
中央水環境センターの管理課保全係主査様にお会いし、神戸市が進める下水道ネットワーク計画と今回の須磨浦汚水幹線布設についてお聞きすると、
「神戸市の下水道ネットワーク計画(平成8年スタート)は、『災害に強い下水道システム』の構築をめざし、神戸市内にある五つの処理場(東灘、鈴蘭台、中部、西部、垂水の各処理場)を総延長33.3kmのネットワーク幹線で結び、一つの処理場が被災しても他の処理場に汚水を送水、処理することを目的としている。
このネットワーク幹線を利用することで、処理場の改築更新、市街地再開発やビルの高層化など都市の変貌に伴う処理能力不足の解消、高度処理への円滑な移行、情報ネットによる集中管理システムの支援といった事柄にも柔軟に対応できるようになる。
また、下水道ネットワーク幹線のシールド二次覆工にあたって下水処理場の汚泥処理でできた焼却灰をセグメントと強プラ管の隙間に中込注入するエアモルタルに一定量混入し、焼却灰のリサイクル活用をはかっている。
今回の工事は、その一環として行っている須磨浦汚水幹線布設工事(神戸市長田区南駒栄町にある西部処理場と神戸市垂水区平磯にある垂水処理場の間約8.2kmを大深度・大口径2400mmの管路で相互に連絡)の一部であり、また下水道ネットワーク幹線全体にとって最後の区間にあたる西部処理場側約4.4kmを仕上げるもの」と説明いただきました。
耐震性とコスト縮減に強プラ管汚水貯留機能の観点からも選択

写真-2 RCPの接合作業
須磨浦汚水幹線などネットワーク幹線築造のシールド二次覆工に強化プラスチック複合管(以下、強プラ管と表記)を採用された理由について同センター管理課様では、
「阪神淡路大震災の経験から耐震構造の管路にするとの前提があり、震災でも実績がある強プラ管をシールド二次覆工に採用している。また、流下性能に優れた強プラ管を内挿管に用いることでシールド外径のサイズを小さくすることができ、コストダウンにつながることも強プラ管によるシールド二次覆工の採用理由になった」
として耐震性、経済性を強プラ管採用理由にあげて下さるとともに、
「処理場間を相互に連絡する汚水幹線として管路に貯留機能(須磨浦汚水幹線全体で最大約3万m3)が求められることから腐食に強い強プラ管を採用した」
と、硫化水素対策(耐久性)が管種決定の決め手の一つになったことをあげてくださった。
日本最長の下水道シールド工事土質の変化と工程管理に配慮
また、鹿島・戸田・佐藤・銭高特定建設工事共同企業体須磨浦幹線JV工事事務所長様に工事の進捗状況についてお聞きすると、
「その2工事の下流側約1.8km(須磨浦公園内の到達立坑から海浜公園内の中間立坑まで)についてはすでに二次覆工まで完了。現在、上流側約2.6km(海浜中間立坑から駒ケ林発進立坑まで)の二次覆工を進めているところ」(2007年9月26日現在の布設延長は731m)とのこと。
“日本最長の汚水幹線シールド工事”(駒ケ林発進立坑から須磨浦到達立坑まで約4.4km)とその二次覆工についてお聞きすると、
「途中にJR山陽本線の線路横断や国道2号線の道路下での掘削箇所があり、掘削中の土質変化への対応と工程管理に万全の注意を払いながら泥水式シールド工法で掘削し、土被り19.54mから29.04mの地中に外径2950mmの鋼製セグメントを設置した。また、日本最長の汚水シールドを要求精度で工期内に貫通させるため、契約後VE提案でセグメント幅を通常の1200mmから50mm伸ばして1250mmに変更するとともに主桁高を100mmとするなどの施工性向上策を施した。
二次覆工ついては、海水浴など行楽客で賑わう公園内に立坑を設ける施工条件やセグメント(内径2744mm)と強プラ管(受口部の最大外径2573mm)の隙間が少ないうえ曲線部があるなど、土木屋にとって、厳しい条件の現場であるが、一次覆工のシールド掘進から強プラ管による二次覆工の現在まで無事故ですべて順調に推移している」
と話してくださった。
芯出し装置で施工性アップ高落差処理にドロップシャフト

写真-3 駒ヶ林発進立抗でのバッテリーカーによる管搬送準備作業

写真-4 施工効率アップに活躍した芯出装置
この須磨浦汚水幹線その2工事の駒ケ林発進立坑の深さは、管路の土被りで20.08m。 この立坑に強プラ管エスロンRCPを吊り下ろし、バッテリーカーで接合現場まで搬送しますが、非常に距離があるため、時速約5kmで走行するバッテリーカーをもってしても往復に相当な時間を要します。
その現場の効率化に活躍しているのがセキスイ製の芯出し装置。
布設済みの強プラ管の管内に設置し、管の接合に使用する装置で、バッテリーカーは搬送してきた強プラ管をキリンのような形状をした芯出し装置に預けたあと、すぐに引き返すことができるため、とくに長距離搬送中の施工効率向上に効果を発揮します。
また、今回工区の両端部(立坑との接合)にはセキスイが共同開発致しましたSUS製の可とう管を用い、管路の耐震性を一層高めているのをはじめ、その2工事の一部である人孔構築ならびに海浜中間人孔の合流部での汚水の高落差処理についても硫化水素の発生を抑制することができ、省スペースで設置できる「エスロン らせん案内路式ドロップシャフト」の採用が決定しております。
最後に、取材にご協力いただきました神戸市建設局中央水環境センター様、須磨浦幹線JV工事事務所様、厚く御礼申し上げます。